【ハイテクハーフ】見せかけのペース。
前回の続き。
スタートが出遅れたので、80分切りの仲間たちに追い付くために出力を上げる。
スタートラインを過ぎてもランナー達が行く手を塞いでおり、減速しては抜け道を見つけてダッシュの繰り返し。
それもそのはず。
今回は目標タイム毎にプラカードが立っておらず、走力関係なく速い者順での整列だったからだ。
序盤はもはや道がないので、横にコースアウトして草むらの中を走る。
それでも最初の1kmは3:45。
「お、意外に目標ペース通りじゃん♪」
なんてホクホクしてたけど、終わって冷静に考えてみたら、急減速と急発進の繰り返しで、出力的には余裕で3:35以上の力を使ってたんだわ。
2kmは何と3:39。
前半のオーバーペースは後半の借金。
「それでも仲間に追いつければ楽になれる…」
見えるはずのない影を追いかけ、どんどんと消耗していった。
***
最初の1kmほどじゃないけど、8kmくらいまでは混雑しているし、ペースが合う集団にも出会わず、蛇行しながらランナーをパスし続ける。
しかし、いよいよキツくなってきた。
ちょうどそのあたりで3:50/km付近で走ってる集団を見つけたので、休憩がてら後ろに付く。
9kmあたりで早くも折り返してきた先頭集団の青学勢とスライド。
同じ人間とは思えない速度で飛ぶように走ってる。
まるでずっと流しをしてるようだ。
そんなことを思いながら一つ目の上り坂に差し掛かる。
ここまでは毎晩走ってるマイランニングコース。
普段は上り切ったところで車止めが設置してあるので、てっきりそこで折り返すんだとばかり勘違いしていた。
この日はご丁寧に車止めは取り除かれ、めでたく下ってからまた折り返して2回目の上り坂。あざす。
1回目まではすれ違うラン仲間たちとエール交換する余裕があったけど、2回目からはもはや反対側を見る余裕すらなかった。
もしエール送ってくれてた方いたらすません。
上り坂でだいぶペース落ちてしまったので、2回目の下り坂で遅れた分を取り戻そうとペースアップ。
呼吸はキツいけど、粘れないほどではない。
大丈夫。
最後までいけると信じてやまなかったけど、既に忍び寄る魔の手がすぐそこまで迫ってきていた。
***
魔の手の正体は「乳酸」。
ハムから臀部(お尻)にかけて乳酸が溜まっており、陸上部界隈で言うところの「ケツワレ」に近い感覚。
400mとか800mでしかならないと思ってたのに、、
こうなるともう脚は動かない。
レースを完走できるかすら危ういレベルだったけど、気合い根性でとにかく突き動かす。
このペース帯だと綺麗なお姉さんが周りに多くて、ついていきたい気持ちは山々だけど、地獄のビルドダウン。
誰のケツも追いかけられない。
いや。
唯一追いかけられたケツが一つ。
めろすけさんのケツだ。
心を燃やし切った煉獄めろすけはふらふらだった。
自分もふらふらだったが、追いついた。
何とか抜いたものの、差はほとんど広がらなかったようだ。
結局ラスト2kmはキロ4オーバーの大撃沈。
***
見せかけのペースに惑わされ、オーバーペースで突っ込んだ代償は大きかった。
そもそも6日前に33kmの変化走をやってたし、今回はテーパリング無しの重い脚で80分切りを目指すつもりだったんだから、少しでも無理してはいけなかった。
後日「乳酸散らし」なる妙技があることを知ったが、これを実践した方が良かったのかもしれないと真剣に思った。
来年のハイテクハーフでは雪辱を果たそう。