低血糖サブ4ランナーのサブ3挑戦記

考えて食べて、考えて走る

【レビュー】Li-Ning Feidian 2.0 Elite。

更新日:2023/2/24
※フルマラソンを走ったあとに得た気づきをこちらでまた更新していきたいと思います。


参考までに私の基本スペックですが、
【PB】
フル :2°57'40"
ハーフ :1°22'18"
10000m :36'30"
5000m :17'19"
1500m :4'36"

- Li-Ningとは?

出典:https://lining.eu/et/

李寧(り・ねい)という1980年代に活躍した体操選手が1990年に立ち上げた中国の大手スポーツメーカー

出典: https://www.ssense.com/ja-jp/editorial/fashion-ja/li-ning-says-hi-to-the-world/


企業の規模を表す指標として適切ではないかもしれないが、時価総額で見ると約3.2兆円(2023年2月)


これはアシックス約5倍くらい。

- Feidian 2.0 Elite


英語表記の"Fei-Dian"(フェイディアン)は中国語表記だと「飞电」らしい。
日本の漢字に直すと「飛電」となる。


シューズの位置付けとしてはエリート向けのレーシングシューズということで、わかりやすく他社の商品で表すと、
NIKEのヴェイパーフライネクスト%2
・アシックスのメタスピードスカイ+
adidasのアディオスプロ3
・サッカニーのエンドルフィンプロ3

あたりがライバルといったところか。


アッパー素材がヴェイパーウィーブのように撥水性が高そうな素材と、シュータン周りはフライニットのような伸縮性が高い素材の両方で構成されている。
その為、軽さがありながらもフィット感を高めており、シューズの着脱もしやすい。


ヒールカウンターについては軽さを追求するレーシングシューズだと剛性をなくし、サポートが無いものが多いが、薄いなりにしっかり硬さがあるので安定感は損なわれていない。
VFN%のように内側にボコっとフィット感を高めるための柔らかいクッションが入っているので、自分の場合は20kmまでの距離であれば靴擦れも起きることはなかった。


ミッドソールには䨻(BOOM)テクノロジーと呼ばれるPebax素材(TPE)で構成されており、これはNikeのヴェイパーフライ、アルファフライで使われているZoom X、サッカニーのエンドルフィンプロで使われているPWRRUN(パワーラン) PBで同じみの柔らかくて反発力が高い素材。
※リソースはこちらのサイトですが、何か怪しいので間違ってたらすみません。
Li Ning Feidian 2.0 Elite Professional Running Shoes


アウトソールはラバーが全面的に薄く貼ってあり、䨻という印字パターンでグリップをもたせるという徹底具合。
まだ雨の日に走ったわけではないが、ロードでは地面をしっかり噛んで走れる。


特徴的なのは前足部にあるコブで、馬の蹄に着想を得て開発されたんだとか、、
この辺については使用感のパートで後述する。


重さは27.5cmで201gと厚底レーシングシューズでいえば比較的軽い部類に入る。

- サイズ感


私の足のサイズは実測で
(右)25.9cm
(左)25.8cm


基本的にはどのメーカーのシューズも27.0cmを履くことが多く、レースシューズとして使っているVFN%も27.0cmを使用している。


Li-Ningの箱には残念ながら日本仕様のサイズ表記JP(cm)はなく、中国仕様のサイズCN(mm)が記載されているので注意が必要だ。

こちらは27.5cm。


それを踏まえてUS9.0(JP27.0cm)とUS9.5(JP27.5cm)をどちらも試着させてもらったが、どちらもジャストフィットという感じではなく、US9.0だとほんの少し詰まる感覚があるし、US9.5だとちょっと大きい。


しかし、フルマラソン終盤は多少浮腫むせいか爪が痛くなることが多いので、大きめのUS9.5(27.5cm)を選んだ。
ハーフまでしか使わないなど使用シーンを限定されているのであればワンサイズ下げた方がベターかもしれない。

- 使用感


以下の練習内容で使用してみた。
①2000m×5 (3'42"/km)
②20kmペース走(3:58/km)
③6000mペース走(3:47/km)


歩いてみた感じ

何だか「もちっ」とした感覚。
Brooksのハイペリオンテンポ、ハイペリオンエリートがよく”もちっ”としていると形容されるけど、個人的には普通に固いなと思うし、あまり”もちっ”とした感じを受けたことはない。
それと比べるともっと柔らかいが、逆にVFN%のZoom Xやエンドルフィンプロ3のPWRRUN PBほどではない。
あちらはもっと「グニュっ」とした感じ。そして見た目通り前足部にあるコブの主張を感じる。



走ってみた感じ

相変わらず「もちっ」とした感じはあるものの、厚底特有の沈み込む感じが少なく、接地から離地までのレスポンスが早い。
前足部にあるコブが気になるかと思いきや、イメージに反して存在をあまり感じない。
つまり、このコブから(アルファフライやテンポネクストに搭載されているエアポッドのような)もの凄い反発を得られるというわけではない。
なので良い意味でクセがなく、厚底でありながら扱いやすい印象を受ける。


しかし、正直なところ、5000m〜フルマラソンまでVFN%を愛用している者としては反発力にもの足りなさを感じる。
これが果たして良いことなのか、悪いことなのかはまだフルマラソンまで使用した経験がないのでわからないが、少なくともこれまで悩まされていた腰痛が緩和しているのは事実。
VFN%を履いて走るとハム、臀部、腰を酷使している感覚が以前からあり、特に腰痛にはここ数年だいぶ悩まされてきた。
これはフルマラソンを走ったうえでも同じ状態なのかは検証したいところ。


一方で、走り方はシューズに合わせてやはり変える必要があるのではないかと考えている。
20km RP走を行った際に、4kmあたりで既に前腿が重く、これでは到底長い距離を走りきれないと思った。
しかし、脚が取り残されているような、もったりとした気持ち悪い感覚があったので、意識的に腕振りをワンテンポ早めつつ、空中で足を素早く捌くイメージでピッチを早めたら前腿のダメージが解消した。
あとでランニングのデータを見返してみたところ、前腿のダメージが無くなったのはピッチが上がってからだった。


これはあくまで仮説にはなるが、Feidian 2.0 Eliteの場合、ピッチ型の走りの方が合うのではないだろうか?
厳密に言うと接地時間が短い方が良いのではないか?
シューズの特性である接地から離地までのレスポンスが早いということは、それに合わせて足離れ(接地時間)も早くしてあげないと、地面から離れようとしているシューズの反発力を足でもろに受ける形になってダメージを勝手に受ける(自滅)するのではないか。
長い距離は持たないという意見が結構見受けられたので一瞬同じ印象を受けたが、よく考えたら自分のピッチは4:00/kmでも179spmとか言う時もあって、完全にVFN%に合わせてゆったり乗り込む走り方に慣れてしまっている。
かたや200spmのピッチであるPonさんや、190spmのピッチであるRyoくんはLi-Ningのシューズが合っているというコメントをされている。
ここについては情報源が少ないので、Li-Ningのシューズを履いた皆様の感想と合わせてピッチがどれくらいか知りたい。笑
ピッチ以外にも、もしかしたら前足部のコブの反発を活かして思いっきり蹴れるだけの脚力と体幹があるランナーならストライドタイプの走り方でも合うのかもしれないが、これはもはや仮説でもなんでもない。

- まとめ


クセがそこまでなく、非常にバランスの取れた良いシューズだと思うが、もしかしたらシューズにあった走り方があるのかもしれない。
本番レースである東京マラソンで履くかどうかは1週間前の10kmペース走で久しぶりにVFN%を履いてみて感触の違いを改めて確かめてから決めたいと思う。